ワタリガニのメスを一番おいしく食べる料理はカンジャンケジャンかもしれない

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カニ好きの蟹解体新書

蟹々合戦

冬のズワイガニカニ鍋も仕上げの雑炊とかを想像するともうたまらんですが、時間のある休日なんかに一杯やりながら、ワタリガニやら毛ガニとかを解体しながら食べるのが特に好きなんですよ。

甲羅をパカッと外すと、カニ味噌やらメスの内子だったりね。
お酒をチビチビやりながら、バキバキッて殻を折ったり割ったり。
もうサイコーですな!

カニは地方によりいろんな呼び名があるのであれですが、

ワタリガニ
・セコガニ(ズワイガニのメス)
・ツガニとかモクズガニと呼ばれるカニ上海蟹の近縁種)

あたりが特にいいです。
共通点は、大きさと価格がどちらも手頃という点やね。
さらに時期にもよりますがメスで内子があるとさらに最高やん。

ワタリガニ

このワタリガニは、子供の頃に一番よく食べたカニですね。
乱獲なのでしょうけど、最近はいつの間にか高級になってるのが気になるところ。

母方の祖母が愛媛県松山市だったこともあり、子供の頃は両親と離れてひと夏丸ごと帰省する感じでしたが、藁紐で数匹を縛ったワタリガニを伯父さんが持って帰ってきて、夕食に茹でたり蒸したりしてもらって、どちらかというと頻繁によく食べていた食材だという記憶があります。
夏のスイカみたいな間食的というか干物やスルメの延長上にある感じというか。
伯父さんの晩酌に付き合って、従兄弟とワタリガニをバキバキやっているうちに晩ご飯が出てくるみたいな。

カニを裏返してふんどしと呼ばれる部分の太さでオスとメスを見分け、従兄弟たちと内子の入っているメスの取り合いしていたのも懐かしいな。

当時はワタリガニも瀬戸内海でアホほど獲れていたのでしょう。
最近のワタリガニは小さいですが、当時のは普通にもっと大きかったような。
今、記憶の同サイズを購入しようとすると諭吉レベルかもしれません。

最近は、特にスーパーでよく見かける輸入物の小さくてカットされている冷凍物にオマーン産がありますね。
見るだけで購入したことないけど、あれ、養殖物なのかな?

あと、ソフトシェルクラブという脱皮したてで殻ごとそのまま食べられるよう揚げたり調理してあるやつがありますが、まったく興味がありません。

食べた結果、おいしいとは思わなかったし、そもそも殻を割って食べることが苦痛ではないので、殻ごと食べることを楽チンだとか、殻ごと食べることで旨味が上がったり、歯応えがよくなるとかも思わなかったので。

それにソフトシェルクラブは、本来は食べたくないエラとか砂袋(胃の内容物)を食べることになったり、極端なことをいえば、本当に脱皮したてのワタリガニなのかなという素朴な疑いもあったりします。
主にソフトシェルクラブを食する機会が多いのは、日本以外のアジア(主に中国や東南アジア)だったりするわけで、実は、知らされていないだけで、手頃の大きさのワタリガニを変な薬品に漬け込んでいたりする工業品もどきだったらイヤだな~とかも。
勿論、これはちもやん個人の勝手な妄想やで~。
風評被害を巻き起こす気は毛頭ありまへんのであしからず。

セコガニ

セコガニは、松葉ガニズワイガニと呼ばれるやつのメスです。
親ガニや香箱ガニと呼ばれたりとか。
このメスは、資源保護の為、漁期が厳しく決まっているので冬場の期間限定です。

ちもやんは、楽天とかで数匹まとまったのを購入します。
その年にもよるけど、1㎏前後が数匹で3,000~5,000円くらいかな。

味噌汁にしてもおいしいそうですが、だいたいバラバラに解体して食べちゃいます。
販売時期が限られたカニなので、内子が入っていないということはまずないです。

ベトナム戦記とか魚釣りで有名な開口健という作家がいて、その人は海原雄山みたいに美食家でもあるらしく、「カニの食べ方で一番旨いのは、セコガニの内子やら外子にカニ味噌やら白いなんやらわからんもんも、そのカニ身とごっちゃに白いご飯の上に乗せてしまって、それをイッキにガッと頬張って食べるのがタマランねんっ!」と言い残しているのです。

今ではその料理を開口丼といって、若狭地方の名物料理になっていたりします。
その発祥は、こばせという旅館に開口健が投宿したのが始まりだとか。
ちもやんも死ぬまでに一度は食べてみたいモノです。

何度か時間をかけて自作でやってみるものの、なんか違うようです。
たぶん、もっと旨いハズだと自分の舌が訴えてくるのである。
きっと、茹でるときの塩加減や茹で時間とかいろいろあるのでしょう。

ツガニ

ツガニは、海から川へ遡上する性質上から寄生虫の心配があるのでよく茹でたり加熱する必要があります。

足は細くてカニ身を楽しむというより、甲羅をパカッと外して、中のカニ味噌や内子か白子といった味の濃い珍味を食べるのがこのカニの楽しみ方です。

ちもやんは秋~冬にかけて、ヤフオクなんかで川漁師さんからオスメス混合とかで購入したりします。
捕獲後は出荷まで井戸水でかぼちゃを食べさせながら泥抜きをするそうです。

このカニが生命力が強いっぽく、郵送で届いても発泡スチロールの箱の中を網の中で元気に怖いくらい勢いよくワチャワチャ動き回っています。

このツガニに限らず、カニはいきなり熱湯に放り込むと驚いて自分で足を切り離しちゃう性質があるので、水から茹でる必要があるのですが、その鍋に移し替えるときにツガニはめっちゃ怖いです。
逃がしたら動きが速いので捕まえるのが困難です。
捕まえようとすると爪もガッと向けてきて威嚇してくるし。

茹で上がると、黒緑色だったのが真っ赤になっています。
冷ました方がいいという人もいますが、ちもやんは熱々のところを甲羅を外してかぶりつくのが好きですな。
食べるところはそこだけという感じのカニなので次々と甲羅を開けていきます。
外した甲羅の裏にも内子(オスだと白子)がついているので、箸でほじくって食べるわけです。
これは想像するだけで日本酒が頭に浮かびますな。

なんか、ツガニは海のワタリガニやセコガニと比較してもいろいろと濃いです。
このカニがダントツで、茹でている時からカニを茹でているというのがわかるくらい部屋中にカニの匂いが充満します。

 

ワタリガニの醤油漬け(カンジャンケジャン)

大人になって、海外へ行くようになってから、ワタリガニ紹興酒漬けというのは幾度か見たことがありました。
いわゆる酔っ払い蟹とか酔蟹というやつで、大連とか上海のちょっといい感じのお店に連れて行ってもらった時なんかにクルクルする卓上で回っているのを見たことがあります。
ただ、いかんせん火を通していない料理であることは一目瞭然であり、オレンジ色の内子ととろみがかったカニ身が超絶においしそうだなと思いつつ、危機管理から一度も食べたことはありませんでした。

そんなある時、件の韓流ブームにはそれまで一切の興味も関心もなかったのですが、何かのテレビ番組のグルメ紹介だかで、韓国料理のワタリガニの醤油漬けであるカンジャンケジャンが取り上げられていたのを観てから、これだけは何故か頭の片隅に引っ掛かり続けるようになったのです。

そういえば・・・とふと思い出します。
中国に行ったときに似たようなのを何度か食べる機会があったけど、生モノであることにびびって、おいしそうだったけど食べなかったんだよな~とフラッシュバックされました。

改めてよく考えると、あの時のカニは淡水の上海ガニじゃなくて、海に生息するワタリガニだったし、食中毒はともかく寄生虫の心配はないんだから、あの時に思い切って食べてみたらよかったな~という後悔の念が頭をよぎり始め、次に機会があったらぜひとも食べてみたいという気持ちが強く湧き上がり、そのうちにあのオレンジ色に輝くの内子の味を想像するようになってしまいました。

というわけで、その機会が何年か越しにやってきました。
はい、プロカンジャンケジャン赤坂店です。

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プロカンジャンケジャン赤坂店のカンジャンケジャン

うん。
食べている最中に確信しました。
これはワタリガニのメスの一番おいしい食べ方だと。
2019年の旨い食事で年間ランキング1位です。

いや~、萌愛に旨い。
事前にイメージしていたよりも濃厚すぎず上品に旨いし、ご飯にもあう。
できたらスレンレスの仏壇に供えるようなお椀ではなく、陶器の茶碗に炊きたての白ご飯をよそって、その湯気の立つご飯の上にオレンジ色に輝く内子をそっと乗せ、熱々のご飯と一緒に頬張り、ホフホフしながら目を閉じて味わいたい。
熱々のご飯じゃなかったのだけが唯一の残念やねん。

この料理は秘伝の漬汁の調合やら漬け込む時間とか、一見すると簡単な料理なようできっと奥が深いんでしょうな。

その旨さを知ってしまったが故に、こんな小さいワタリガニではなく、子供の頃によく食べた瀬戸内産のもっと大きなワタリガニのメスで、ぜひともこのカンジャンケジャンを食べてみたいと贅沢な願望を抱かずにはいられませんでした。

北陸の温泉旅館なんかで供される、松葉ガニズワイガニ)の足を氷水で洗って花が咲いたようにあしらった刺身なんかも旨いですが、このカンジャンケジャンはまた別の旨さがあります。
マグロの漬けみたいなもんでしょうか。
少なくともワタリガニのメスに限定したの料理方法としては、このカンジャンケジャンが一番なんじゃないかな~と今のところ思っています。

あとはそうですね、炭火コンロの上で上手にあぶった内子入りのワタリガニ焼きだと、もしかしたら、カンジャンケジャンを上回るかもしれません。

ヤンニョムケジャンというキムチ風のもあるみたいですが、ワタリガニのオスならともかく、メスで想像すると、なんとなくコレじゃない感があるので未食です。
大阪の鶴橋駅で実物を見る機会があったら、購入の是非を見当してみたいと思います。

上海ガニ紹興酒漬け(酔蟹)も食べてみたくなりましたが、こっちは淡水のカニなので、紹興酒のアルコール程度では、やっぱり寄生虫が怖いですね。
でも、中国四千年歴史とやらでめっちゃ旨いんやろうな~。

ちなみに新鮮な内子入りのワタリガニのメスの仕入れ価格が高騰している為なのか、韓国の物価上昇を反映してなのか、このプロカンジャンケジャンのカンジャンケジャンも年々価格が上昇しているようです。

とっても萌愛に旨いけど、とっても財布に優しくない価格です。
まあ、でも、手間と技術料を考えると妥当ですね。