日暮里で関西人がげそ天そばの旨さに目覚める

始まりは日暮里駅の六文そば

関西人にとっての立ち食いそば(実際は立ち食いうどん)と天ぷら事情

 

関西育ちにとって、駅ナカや駅前周辺にある立ち食いそばは、阪急そばとか南海そばとか言いながら、その実態はハッキリいって立ち食いうどんですわ。

そして、これが全国比でも同型営業スタイルの店舗において、大阪は異常に安く、21世紀を優に過ぎてなお、消費税の増税もなんのそので、未だにかけうどんが200円を下回る立ち食いうどんのお店もまだまだあります。
都心部の賃料や最賃を考えると、なかなかとんでもないことである気がします。

20代中盤は職場も住居も近くだったこともあって、京橋駅至近の「京橋浪花」にはお世話になったものです。
その後、転職してからも、当時は大阪駅環状線ホームにあった「潮屋」とか、それこそ「阪急そば」や「南海そば」にはお世話になりました。

ちなみに着席店なので厳密には立ち食いではありませんが、難波の「天政」が一番のお気に入りです。
ここの「肉うどんきざみ」はこの分野における至高です。
きざみは油揚げ(きつね)をきざんだやつね。
それを肉うどんにトッピングしたやつ。
関西風の出汁にやわうどんと動物性&植物性の油分のダブルパンチです。
そりゃ旨いに決まってまんがな~。

そんでもって、多くの関西人がそうであるようにちもやんも東京の立ち食いそばのお店を食べたこともないくせに上から目線で馬鹿にしておりました。

「出汁黒いし~」
「大阪より100円くらい高いし~」
「天ぷら系の揚がり具合が白くなくて茶色だし~」

といった具合に長らくずっと思っていました。

そういうわけで、せっかく上京したら他にもおいしそうなモンや食べたいモンがあることもあって、わざわざ立ち食いそばの店に入ることがありませんでした。

あと、学生の頃、就職活動の面接で東京へ行った際、どこだったかで昼ご飯に天丼を食べたのです。
その時に海老天やら各種天ぷらが茶色くて、タレに漬けたから茶色いのかな、それとも単に揚げ過ぎなのかな、とドギマギしながら口に運んで「ゴマ油で揚げとるやんけ!」と突っ込んだ日を忘れもしません。

関西育ちにとって、天ぷらは白い衣で白く揚がっているものだったのであります。
この衝撃を受けた関西人はけっこういるんじゃないかなあ?
さらに大阪では天ぷらとはさつま揚げを指したりもしますよね?

そんなこともあって、長らく東京の立ち食いそばとは無縁でありました。
富士そばやらそこら中にあるのは認識していましたが、大阪と比較すると別に安くないこともあり、食事の際に眼中に入らなかったというのが本当のところです。
つまり、せっかくの東京だし○○を食べようということですね。

六文そばのげそ天そばとの出会い

ちもやんにとってそれはホンマに偶然で運命的な出会いでした。

初食は本当に偶然でした。
だって、まずもって日暮里なんて行かないから。

研修会というか会合みたいなのがあって、その会場が日暮里駅至近のホテルで、一泊二日の行程の宿泊もそこでした。

その滞在中、初日から前を通った時に妙に気になったんよ、六文そば日暮里二号店の店構えが。
失礼ながら間口も狭く、ボロっちくて、その割にはおじさんの出入りが頻繁だし、研修中も気になって仕方がありませんでした。

で、行ってみるわけです。
入店します。

「せまっ!!」

なんやろう、絶対的にお客さんのスペースが絶望的に狭いのです。
うまく説明できませんが、コの字の右の辺は、注文と支払いのカウンターであり、配膳カウンターであり、食器返却カウンターでもあり、上に乗せるタネ物のショーケースでもあります。

そんで、コの字の上の辺と下の辺がお客さんが壁に向かっての立ち食いのカウンターというイメージです。

コの字の左の空いている部分はひっきりなしに出入りする入り口であります。
だもんで、コの字の真ん中部分はどうやったって常に大渋滞なわけですよ。

そんで、できるだけ常連さんに迷惑をかけないよう直感的に関西ではまずもって見かけない「げそ天そば」を注文します。
まさかこれが天命であるともしらず。
コの字の右辺の注文カウンターの上にはショーケースがありますが、そこから実物を見て選んでいる余裕はありまへん。

げそ天そばの実食

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六文そば金杉橋店のげそ天そば

てっきり、ゲソの足が3~4本を揚げた例のカタチのが乗ったげそ天そばを想像していたところ、見事なカウンターパンチ。

かき揚げみたいなげそ天にまず驚かされます。
それもあって衣が茶色であることや白ねぎであることなど気になりません。
勿論、出汁が黒いのは織り込み済み。

このかき揚げみたいなげそ天、コリコリではなくゴリゴリなんよ。
イカゲソ部分が短く切られているのにもかかわらずブロック状でぶっといんよ。
調べてみると、このげそ天はムラサキイカのゲソらしい。

これが茶色の衣と黒い出汁と相まって、ホンマにB級の極みの旨さなんよ。
多分、関西風の出汁ではこのげそ天の旨さは引き出せない。
きっと衣も茶色じゃないとアカン。

備え付けの唐辛子が一般的な一味や七味ではなく、種もそのままの粗刻みの唐辛子なんですよ。
この唐辛子がこのどこかジャンクな立ち食いそばに白ねぎとともに野武士的な荒々しさと、そうはいっても武士なんだよね、みたいなインパクトを与えるのです。

ご馳走様でした。

げそ天そばを巡る旅はつづく

日暮里でこのげそ天に出会って以降、食べるとお腹が緩くなるラーメンを東京では食べないようになります。

わざわざ仕事の帰り道に日暮里へ行って、少し歩いて一由そばへ行ってみたり。
紅生姜天のくっついたげそ天に感動しました。
関西人は紅生姜天が好きやからね。
でも、薄く大きく切った紅生姜ではなく、焼きそばやチャーハンの添え物みたいな刻んだ紅生姜がげそ天の上にくっついている感じのやつです。
牛丼で取り放題の紅生姜のやつね。

あとで知ったのですが、勿論、この紅生姜天が乗ったげそ天は、六文そばにもありますよ。

あとは、新宿だと「かのや」もげそ天そばが旨いです。

六文そばは、支店だかフランチャイズだか知らないけど、他にも店舗があり、須田町店や金杉橋店へも行きました。

須田町店では、ついにげそ天と紅生姜天の二つも乗せたりしました。
げそ天にちょっとくっついている紅生姜天じゃなくて単品の紅生姜天の追加やで。

金杉橋店では、昼食時に入ったらげそ天が売り切れで、悔しくて昼食を食べずに仕事を先に済ませて夕方に再訪し、空腹で念願のげそ天そばにありつき、紅生姜天とかナシのソリッドなげそ天そばに回帰して満足したり。

気がつけばムラサキイカのげそ天が超萌愛です。
西の天政の肉うどんきざみと東の六文そばのげそ天そばが双璧の両横綱やわ。
萌愛な立ち食いそば界のね。

ちもやんの残りの人生でランキングが入れ替わることがあるのだろうか?