萌愛シアター(2022年2月編)

2022年2月も映画館へ全員集合 ※ネタバレあり

さがす

最初から最後まですっごい引き込まれたわ。
予告編をいい意味で裏切りまくる。

二朗さんは序盤で早々に途中退場。

そっから大阪の下町を舞台に娘役の伊東蒼さんが中盤まで引っ張っていく。
八重歯なのか逆えくぼがあって、ちょっと困った顔をしているんだけど、関西弁がめっちゃ達者でとってもかわいらしい。

そんでもって、中盤からは二朗節が炸裂しまくり。
二朗パパ視点と娘視点でどんどん伏線が回収されていく。

ラストは親子で卓球をしているシーン。
親子で延々と無言のラリーが続く。

そのうち遠くからサイレンの音が聞こえてきて。
「お迎えが来たんちゃう?」という娘。
「なにがやねん?」と動揺する二朗パパ。

この一連のやりとりで二朗パパが観念。
思わずラリーの手が止まって負けちゃいます。

そっから親子の卓球を再開。
卓球の球が見えなくなり、ラリーの音だけが響き渡るラストシーン。

その後、この親子はどうなったのかな?
二朗パパ、やっぱり、自殺しちゃったのかな?

中盤に卓球場で娘が見たぶら下がっていた首つり死体の描写が気になる。
上半身が映っていない描写だったけど、あれはお母さんじゃないよね?

クレッシェンド 音楽の架け橋

イスラエル人とパレスチナ人の混合楽団のお話。
若者が楽団の活動を通して分断を乗り越えるのかと思いきやそんなに甘くない。

再三にわたる楽団員同士の罵りあうシーン。
今の平和な日本で生まれ育った我々には到底理解できないであろう憎悪。
どれほどまでに根深いのか。

個人レベルでは乗り越えて恋愛に発展する男女もいます。
恋する若い男女から溢れ出る謎のエネルギー。
なんでもできてしまいそうな。

しかし、その期待はやがて失望に変わり果ててしまいます。
なんてこったいなバッドエンド。
でも、それが彼の地の日常。

空港でイスラエルパレスチナへとそれぞれの行き先が別れる楽団員たち。
出発までの待合ルームは隣り合わせですが、透明なガラスで仕切られています。
レクイエムのようにひとり、またひとりと楽器を演奏し始めます。

いろいろあっても音楽で時間と空間を共有した楽団員たち。
言葉ではなく、音楽でお互いの気持ちが交錯するようなラストシーン。

未来につながりますよう。

大怪獣のあとしまつ

超大惨事。

せっかくテーマが良かったのに・・・。
かなり公開を楽しみにしてたんだけどな~。

政府のドタバタ劇はオマージュを含めてまあいいとして。

恋愛の要素いらんやろ?
史上稀に見るめっちゃ無駄なキスシーン。

主要人物の山田涼介と土屋太鳳と濱田岳の3人が邪魔。
あんな演出で3人を絡ませる意図もまったく意味わからん。

山田涼介は主人公なのにずっと不機嫌で仏頂面。
土屋太鳳も物語の語り部と思いきやブレブレキャラ設定。
濱田岳の意味不明な個性の強いキャラ設定も伏線や覚醒もなし。

登場人物は、政府の内閣メンバーとオダギリジョーだけでいいやん。
そう思わせるのに充分な主要キャラ三名の演出。

大怪獣のあとしまつに立ち向かう科学特捜チームに特化してほしかったわ。
ラストシーンはお約束だし。

めっちゃいろいろ勿体ないわ~。

前科者

やはり、映画は予算じゃないね。
大怪獣のあとしまつのあとだけに余計にそう思うのかもしれん。
終盤の車数台のクラッシュシーンがなければもっと低予算だったかも。

密室でお酒で前後不覚の保護士の娘さんを労る前科者。
密室で落ち込む保護士の娘さんに欲情して襲いかかる刑事。

今作の有村架純はベストパフォーマンスだったんじゃないかな。
セリフの緩急がいいね。

学生時代の回想シーン。
一瞬、芦田愛菜ちゃんかと思ったよ。

嘘食い

最初はつまんない。
でも、終盤にかけてちょっと盛り返してくる。
けれども、原作の面白さを引き出すのはどうしても難しいよね。

組長の蘭子の演技力がなんともいえん。
テレビドラマならともかく、映画のスクリーンではちょっと・・・。

やっぱり、カリ梅が食べたくなった。
帰りにドラッグストアで村岡の梅しばのお徳用を買って帰りましたとさ。

ドライブマイカ

真面目で大人しい旦那が自由奔放で身勝手な嫁に死んでからも振り回される話。
まったくひどい話だ。

死んだ奥さんの秘密を探る訳でもなく。
かなりの長編で延々と続く。
広島から北海道へ。

特に盛り上がるシーンや見せ場もありません。
でも、いろいろちゃんとしているので最後まで観れます。

人間の三大欲求の一つの性欲。
こればっかりは親子や夫婦といった家族でもなんともね。

覗き見ると、やっぱり、ロクなことにならないわな。
隠し事というか、お互いにこの領域は覗かない方がええんやろね。

終盤の車中での岡田将生の長セリフのシーン。
それまでチャランポランでボンクラだった人物に何かが降臨して別人のよう。
確実に「何かが起こった」すごいシーン。

ラストの韓国と思われる場面と犬の登場はよくわかりませんでした。
原作を読んでいたらわかるのかな。

ノイズ

普通を装うというオプションが付いたにせよ、藤原竜也が普通の島の住人を演じているというレアな気がする映画。

離島という隔離された設定も孤島という閉じ込められ感はあんまり。
名古屋市も近い設定なのに島の暮らしの田舎アピールがかなり強引かな。

島民の閉鎖的で排他的な感情が理解できないと面白味も半減なのかも。
田舎あるあるみたいな。

警察官の駐在員のかさぶたになれみたいな引継ぎもその一つなんだろうけど。
そこらへんも伝わりにくかったかも。

途中から結末がなんとなく予想できてしまったな。

あとがき

今月はけっこう良作に恵まれた気がします。
西成が舞台の「さがす」は特にね。

ついにロシアが一方的にウクライナへ開戦。
まだ北京パラリンピックが開催中にもかかわらず。
この国はオリンピック期間中の軍事行為が常套手段やね。

2008年北京五輪グルジア
2014年ソチ五輪クリミア半島
2022年北京五輪ウクライナ

開戦してしまったからにはあとはどのように収拾させるか。
ウクライナの地が泥沼化しないといいけれど。

欧米にも言い分があり、ロシアにも言い分はあるのだろう。
いろいろと原因はあるにせよ、欧州と米国の視点は異なる気がする。

欧州は、ロシアとの勢力圏や緩衝地帯の陣取り合戦なのは間違いなさそう。
でも、米国はドイツとロシアのガス供給による経済接近を警戒したんじゃないかと。
ドイツとロシアが仲良くなることが米国にとって将来の脅威と感じたわけ。

まあ、ルビコン川を渡ったプーチン
旧ソ連への版図復活への第一歩となるか、失敗してロシアがさらに分裂するか。

早期に停戦されますよう。
ウクライナの地に萌愛あれ!