萌愛シアター(2023年6月編)

2023年6月も映画館へ萌愛でGO! ※ネタバレあり

共に生きる 書家金澤翔子

映画というよりドキュメンタリー。
でも、こんな書家もいるんだと知ることができてよかった。

書というより絵画だと例えていた人がいたけど、ちもやんも確かにと思った。
他にも住職さんだったか、誰でも字を上手にカッコよく書こうと思ってしまうものだが、彼女は無心だからすごいと。
色即是空を体現していると例えている住職さんも。

幾つか映し出された作品のうちの「風神雷神」がすごいなと思っていたら、師匠筋の柳田泰山氏が100年後は国宝レベルだと絶賛していて、目利きができたみたいでなんだか萌愛な気分。
そもそも目利きもなにも全作品がすごいんやけどね。

時折、カットインする母親の歯に衣着せぬ物言い。
負けん気でプライドが高く、翔子が世に出るまで、こんな人生は自分の人生じゃないと思いながら生きてきたんだろうなというのが伝わってきた。

母は、ずっと、否定して、否定して、否定していた。
娘は、ずっと、受け止めて、受け止めて、受け止めていた。

後付けもあるだろうけど、母親の本音だと思う。
地蔵参りで般若心経を唱え、神様、仏様、今すぐこの瞬間に娘を健常者にしてくれと。
ダウン症が治りますようにではなく、今すぐこの瞬間という思い。

心から頼りにしていた伴侶と妹を立て続けに失う。
そのときの親子の心細さはいかほどばかりか。
想像することもできない。

成人式や結婚式の代わりにという思いでの個展や帝国ホテルのお披露目。
最初は揮毫実演も猿回しの猿じゃあるまいしという母親の戸惑い。
まったく緊張しなかったという娘はこれらを機に書家として大成してくわけだが。

翔子に一人暮らしをさせる母親。
買い物はスーパーマーケットではなく、近所の商店街で一つ一つ買い物をしていく。
遠くの親戚より近くの他人で地域に根ざして生活させる。
母親が先立っても生きていけるよう。

翔子が大声を出さないのも印象に残った。
上手に話せないのは勿論だが、彼女は明らかに声のトーンを抑えている。
でも、こちらは彼女が大きい声を出している表現だというのは十二分に伝わる。
母親の躾も感じられるし、彼女の感受性の強さも感じられる。

そして、ラストにタイトルでもある「共に生きる」を大書で揮毫に挑むシーン。
師匠筋の柳田泰山氏に怒鳴り散らされ、母親が逆ギレで悪態つき、感受性の豊かな翔子が泣きながらその場を和ませようとするシーン。
全編を通じて、師匠と金澤親子の素が出ていた唯一のシーンでとても印象に残った。
この金澤親子はこうやって生き抜いてきたんだな、と。

TAR ター

大音響重低音上映で鑑賞。
でも、その効果を体感できるシーンは超少ない。
交響楽団の演奏シーンはあんましないから。

ケイト・ブランシェットの演技を中心に実話なのかと思うくらいリアリティがある。
語られないシーンがけっこうあり、想像で補完する部分も多い。

性欲を自分の権力支配下で発散することで失敗する人は多いよね。
これは性別やSBGTQもまったく関係ない。
おそるべし人間の三大欲求。

頂点に登り続けていく人は、転落する可能性もどんどん上がる。
出世する素養や長所は失脚する素養や短所でもあるということか。

主人公が再起を図るラストの某アジアの国。
おそらくフィリピン。
内陸の運河でガイドがワニがいるから泳がない方がいいというエピソード。
曰く、地獄の黙示録の置き土産だと。
傲慢で慢心したマエストロ(某映画監督)への超痛烈な皮肉!

岸部露伴 ルーヴルへ行く

実はスタンド使いのちもやんです。

いやいや、これは主人公がすっごいハマリ役やね。
実写版はこの人しかあり得ないと思わされるくらい。
キャスティングした人、やるね!

スタンドシーンはあんまりない。
また、そこは重要ではない。

世界観がよく活かされている。
いつかルーブル美術館に行ってみたいわ~。

逃げきれた夢

んんっ?
なんか、劇場のスクリーンに対して画面がちょっと小さい。
昭和のテレビ画面サイズ(4:3)を意識したのかな?

主人公の教頭先生。
方言のしゃべり方も声質も武田鉄矢にそっくり。

痴呆症だか健忘症だかを発症しているそう。
それが発症している明確な描写は元教え子が働く定食屋の無銭飲食シーンくらい。
しかも、このシーンが本当に忘れていたのかちょっと怪しい。
教頭先生、かまってほしくてすべてワザとだったのかも?

嫁、娘、友人、元教え子たちと、空回り気味に気味悪がられながら「これまで」と「これから」を見つめてコミュニケーションをとっていく。
そうだよね。
人なんて「これまで」も「これから」もお互いに自分勝手だよねと気付く。

昔、教頭も覚えていない言葉で勝手に救われたという元教え子。
定食屋を辞めて、中洲で働いたら50万円。
ギリシャだか外国で暮らしたい。
先生の退職金をちょうだい。

ラストシーン。
元教え子のあとを追い掛ける教頭。
お互いに本音を伝え合ったあとは、振り向きもせずスタスタと立ち去る教頭。
その後ろ姿をいつまでも見つめ続ける元教え子。

結局、中年の悩みなんてそんなもんなのである。
極端な話、老人ホームの父親のような爺になったらもうすべてどうでもいいのである。

ちゃーしい!

セールス・ガールの考現学

モンゴル映画ということでチャレンジ鑑賞。
アダルトグッズショップを薬局と言い放つオーナーとひょんなきっかけでアルバイトすることになった大学生の女の子のお話。

このどっちかというとちょっと冴えない感じの女の子がどんどん垢抜けていく。
髪型や眉毛って大事なんですね。

モンゴル平原と騎馬民族的なシーンはない。

怪物

あとだしジャンケンで次々と種明かしがされていく。
なんやそういう話やったんかいという。
コンフィデンスマンJPみたいな。

安藤サクラと田中裕子の校長室コントのシーンが秀逸。
この田中裕子は今の役者世界では本物の怪物でバケモノかもしれませんね。
このシーンでの安藤サクラの涙目が違う意味に見えてしまうくらい。

ラストはけっこう不自然やったね。
嵐の中をお母さんと先生が山中の秘密基地まで探しに来てくれて。
でも、台風一過の翌朝にそこから脱出し、立ち入り禁止廃線の先へ向かって走って行くシーンで終わる。
ずっと転生したがっていたからね。

渇水

なんか、ちょっと惜しいんじゃない?
水道局員の停水執行の現場葛藤で押し切ればよかったのにね。
最終盤の公園での放水シーンとかよくわからん。
ただのノイローゼのおじさんやん。

太陽と空気と水は無料。
確かにそうかもしれんが、水道水は違うよね。
太陽は無料でも電気は有料なのと同じ。

受益者負担はあってしかるべし。
少なくとも、放送事業ヤ○ザの某NHK(ナンチャッテ・ホントハ・コリアン)の受信料問題と水道料金はまったく違うと思うわ。

水道料金は、劇中にもあったように3~4ヶ月の滞納で給水停水される。
また、自分の意思で水道を引かず、雨水や井戸水で生活することもできる。
これは他の生活インフラとされる電気もガスも似たようなもの。
延滞すると、いずれも止められるし、加入しない自由がある。
ところが、放送事業ヤ○ザの某NHK(ナンチャッテ・ホントハ・コリアン)というと、受信可能な機器や設備を保有しているという理由だけで、放送スクランブルをかけることもなく強制契約および徴収をしてくる。
御上公認のヤ○ザは本当に始末が悪い。
話が逸れた。

それにしても、陰気な公務員が家庭問題でノイローゼになって、ダムを占拠するテロ事件を敢行して水道を無料にする?
なんじゃそらで某NHK党のアホ共と同レベルやん。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

次男坊(8)の希望で鑑賞へ。
ルイージの緑の帽子を被って入場する次男坊。
楽しみにしていた入場者特典がもらえずがっかりしてました。

HOLDING OUT FOR A HEROにスクールウォーズかと思ったわ。
マリオってキノコが嫌いやったんやね。
そんなん知らんかったわ。

次男坊も何度か声を出して笑っていたので面白かったみたい。
マリオ兄弟よりピーチ姫がグイグイと前に出てくる感じが現代風。
次回作、絶対にあるね。

ブラッククローバー 魔法帝の剣

原作未読。
それでも世界観はそれなりに理解できた気がする。

同窓会みたいに登場人物が勢揃い。
オールスター出演。

史上最大級の強大な敵を相手にそれでも仲間の死亡者ゼロ。
大団円。

リバー、流れないでよ

「Mondays/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」は一週間だったけど、こっちは2分間というで、しかも、記憶や関係性は持ち越される。
この2分が短いようで長く、やっぱり、短い。

時間を繰り返しているはずなのに天候はループしない。
雪が降ったり、積もったり。
時空のゆがみが発生しているとかで押し切るところが萌愛で面白い。

あのデザインの未来道具に漁師が鉄砲をぶちかます
オチというか、ラストのノリも面白かった。

告白、あるいは完璧な弁護

劇場内は熟女多し。
おそるべし韓流。

登場人物は少ないにもかかわらず、最初は事件の全容がわからない。
なるほど、そういう展開なのかという理解が追い付く頃にはさらに二転三転。
冬の薄暗い密室のシーンが多く引き込まれる。

ラストはテンポが急に一足飛び。
引き上げのクレーン車の出動とか警察もそんなに準備がいいもんかね?
まあ、そもそも容疑者やったからあり得なくもないか。

それにしてもの韓流美人。
なんか、アンドロイドとかサイボーグみたい。
そう感じるのは昭和世代だから?

あとがき

税収が過去最高の70兆円を突破。
過去20年間でGDPは別にたいして増加していない。
人口も減少トレンドで、労働力人口の減少は明らかに加速している。
それでも税収が増収かつ過去最高ということは、国民一人当たりの負担率が上がっていることにほかならない。

でも、ところがしかし。
意外にも日本のターンだったりすると思われ。

マインバーの健康保険証との紐付け宣言。
次にくるのが新紙幣への刷新。

現金商売を中心とするタンス預金、市場に出てくるよね。
今まではゼロに等しい利息を考えると、わざわざ税務署や国税に補足される銀行口座や証券口座、外国送金なんてしないよね。
そのまま金庫やら庭に穴掘って埋めてでも、タンス預金にするわな。

でも、インフレ&為替の下落、さらには旧紙幣になりさがる諭吉を大量に持っていると、マネロンを疑われてもしかたがない状況が間もなくやってくる。

今、富裕層は一生懸命、現金を市場に放出しているはず。
これだけ電子マネー化している社会にもかかわらず、せっせと現金払いをしているものと思われる。

特に消費を抑制されていたコロナ禍の反動もあって、今こそ現金払いの富裕層。
そして、あわよくば経費勘定をしつつ、金融機関に移していく。

海外との金利差やインフレ率の内外差は勿論だけど、それらを含めて、現ナマの諭吉が国内市場に流通していることも、実は現在の円安や日経平均の上昇であり、インフレ率の上昇なのかもしれないね。

とはいえ、国民負担率が北欧レベルになりつつある萌愛の欠片もない日本。
散々、所得税やら社保やらをさっ引いた可処分所得にさえ、10%の罰金のごときの消費税という四公六民の江戸時代もびっくりの日本。
このままでは未来は「ウォウウォウウォウウォウ!」ですよ。
日本国財政、どうにかこうにか面舵一杯で切り抜けてもらいたいものであります。

合掌。