萌愛シアター(2023年5月編)

2023年5月も映画館へ萌愛でGO! ※ネタバレあり

銀河鉄道の父

番宣のシーンがそのまんま映画の全体感。
ここまでダイジェスト版な番宣だった映画は珍しいんちゃうかな。
観た結果、そう感じたわけだけど。

痴呆症になった祖父に向かって賢治の妹トシがいう。
「綺麗に死ね!」
祖父に対してというより、生命そのものに訴えているような。
なかなかインパクトのあるシーン。

その後、トシは結核に侵されることになるが、苦しみながらも綺麗に死んでいく。
これはその後の賢治にも引き継がれ、彼も肺病で綺麗に死んでいく。

宮沢賢治の作品は、没後の後年になってから次第に評価されていくことになる。
そこには田舎とはいえ商家の当主である父の深い愛情と金銭的なバックアップがあってのことだったであろうことが伝わってくるストーリー。

だって、簡単に進学やら上京できる時代じゃないよね。
ましてや無名ながら出版だなんて。
さらには実家の宗派と異なる法華宗への入信するとかのボンボンぶり。
銀河鉄道の父からしたら長男の賢治は稼業も継がんと放蕩息子でしかないわな。

宇宙人のあいつ

よくわからないバカバカしいストーリーをみんなが真剣に演じている。
序盤にどうやら寝てしまったおじさんがいたらしく、劇場内にイビキが響き渡っているのも含めて面白かった。

濃厚すぎて裏主演のバナナマンの日村がお見合いパーティーをしている場面での「大丈夫です」が行き交うのシーン。
女性の繰り返す「大丈夫です」の意味がすぐには理解できず戸惑うバナナマン
その次のお見合いパーティーではバナナマンも「大丈夫です」を使いこなす。

最近の「大丈夫です」という言い回し。
ちもやんの日常でも何が大丈夫なのかなと相手に一瞬思うときが確かにあるわ。

言葉は時代で変化するけど、最近ではニュアンス的に拒絶の意思が込めらるようになってきたのかな?

THE FIRST SLAM DUNK

3回目。
THE THIRD SKAM DUNKやな。
もう、ちもやんズBESTに入る殿堂入りの映画。

プロローグ後、鉛筆画の湘北メンバーが一人ずつ歩き出すオープニング。
階段を降りてくるように登場する山王工業メンバー。
史上最高に萌愛すぎるオープニング。

湘北バスケ部の赤木・宮城・桜木という問題児の系譜なんやね。
そして、この三人の問題児がそれぞれのキャプテンシーを発揮していく。
彼らの問題児の質の違いがキャンプシーの違いでもある。

宮城のキャプテンシーの開花に立ち塞がるのが父と兄の死。
キャプテンを失ったままの宮城家。
それが原因で迷走するリョータ

物語を通して、キャプテンシーのなんたるかがボンヤリとだが、ちょっとだけリョータの中で芽生えてくる。
それを見て取ったのがかつてのチームの問題児であり現キャプテンの赤木。
でもって、最終盤の円陣の掛け声はリョータ

全国大会で初めてまともに会話するメンバーも。
湘北高校はどうみても仲良しチームではない。
当人たちもそれは認めている。

絶対王者の山王工業戦で湘北高校が爆発させたのは、当時の少年ジャンプの十八番でもある単純な友情パワーではなさそう。

赤木・宮城・桜木といった問題児軍団がそれぞれに抱える負のエネルギー。
そのエネルギーがキャプテンシーに転換されたときのパワー。
これがスラムダンクの世界における少年ジャンプ的な友情パワーかな?

試合ラストの無声シーン。
桜木がシュートを決めるところ。
当然、ここは無声どころか無音なわけだが、かすかに遠くの鉄橋を渡る電車の音が聞こえてくる。
「タタンタタンッ・・・タタンタタンンッ・・・」

桜木のシュート前後のクライマックスシーンにマッチしすぎて鳥肌。
というか、遠方の電車が陸橋を渡る走行音が聞こえるなんて、どんだけ劇場内が無音やねんという話。
無音ですら再生時の音がなんかあるよね?
それすらない真の無音シーン。

今回で本作の劇場鑑賞がTHE THIRDのちもやん。
THE FIRST SLAM DUNKの「THE FIRST」の意味。
深いかもしれん。

不思議の国の数学者

教授こと用務員のおじさんの自己完結型の物語。
物語が進むにつれ、だんだんストーリーが荒くなるけど、いい話やな。

しつこいくらい慎ましい生活が描かれるおじさん。
でも、書店で高価な本を大量に買い込むおじさん。
その様子を見て驚く進学校の青年に「その為に稼いでいる」とおじさん。
イチゴ牛乳が飲みたくなった。

リマスターの食人族と迷ったけど、こっちにしといてよかったわ。

聖闘士星矢 The Beginning

序盤のカシオスのしつこい登場やクロス(聖衣)を手に入れるまでの修行のダルさは原作を忠実に再現している。
だから、観ていてもずっとクロスが出てこん。
敵方のサイボーグみたいな真っ黒なクロスばっかりワラワラと出てくる。

終盤、やっとペガサスのクロスが登場と思いきや、正直、萌愛じゃない。
古代ローマコロッセオで戦う奴隷剣闘士みたいやん。
フェニックスはちょっとだけマシやったけど似たようなもの。
原題が「Knights of the Zodiac」やから、見た目がグラディエイターでもいいのかも?

でも、どうせCGなんだから、メタリックカラーのクロスにしたら良かったのにね。
メタリックカラーのクロスなしで、黄金聖闘士編が盛り上がるのかな?
それに紫龍や氷河といった仲間との戦闘中の見分けもつくのかな?

続編の匂わせるタイトルと終わり方だったけど心配やわ~。
まあ、そもそも続編ないかもやけど?

あと、辰巳ポジションのマイロック?
この執事的なおじさんが強すぎる!

それからセイヤに小宇宙の使い方を伝授してくれる銀聖闘士マリンさん。
ある意味、原作を一番リアルに再現しているルックス。
ちょっとリアルすぎてコワイくらい。

最後まで行く

どこまで行くねんというくらいインフレを起こしながら最後まで行く。
そして、岡田准一綾野剛の顔芸がすごい。

お二人とも、再婚に至るまでの経緯や元国会議員で現国外逃亡者に暴露話をされたりといった経験が芸の肥やしになったのかもしれない。

人生、こういう間の悪いタイミングが重なることあるわと妙に共感できたり。
不思議と紙一重で切り抜けられるという安堵感も同じように共感できたり。

宗教のマネロンの話。
世界中でめっちゃ普通にありそう。
日本もね。

ワイルド・スピード ファイヤーブースト

ブルース・ウィリスばりのダイハード。
主人公は物静かなタイプなのにワイルドすぎ。
巻き込まれ系に見えるのもブルース・ウィリスっぽい。

車が出ているシーンはずっと面白い。
ストーリーはよくわからんけど、気にならないくらい。
そのくらい車のシーンはすべてファイヤーブースト。

叔父さーん!?
まっ、きっと謎の理由でシレッと生きている気が・・・。

劇場版 TOKYO MER 走る緊急救命室

ドラマをまったく観たことがない。
でも、物語の背景だったり、人物設定や関係性がすぐに理解できる。
めちゃくちゃテンポがいいにもかかわらず。
なかなかすごいこと。

ビル火災のシーンも都合が良すぎるくらいテンポがいい。
移動の大変さもかなりショートカットされている。
一方で、ビル内への煙や一酸化炭素の広がりが遅いとか。

ランドマークタワーの最上部までの非常階段を、救命道具を担いで、めっちゃ到着が早いし、到着後もすぐ動けたり。

負傷者を担架とかで搬送しながら非常階段を降りて行くのもすごい。
火事場のクソ力とはいうけれども。

せやけど、こういうのが物語をシンプルにしていてわかりやすくしている。
いいと思う。

回想シーンの心臓マッサージをしている妹が死んじゃうシーン。
「お兄ちゃん、涼香いないとなんもできないって!」
これは泣いちゃうわ~。

あとがき

ニュースで聞こえてきて、いちいちイラッとくるのが骨太と異次元というワード。
特に骨太はもう20年以上も掲げているけど、ホンマに骨太の政策やったら、もうとっくに政策効果が現れて日本全体が骨太になっとるやろうという話。
異次元もまったく同じで、いつまで経っても異次元な効果は現れない。

最高学府の東大卒であろうが、四半世紀もの期間にわたって、骨太と異次元の政策を掲げているなんで、政策担当者も採択している政府も馬鹿なんじゃないかと思う。

今の児童手当論争もそう。
そもそも大半の国民はお金を配ってほしいわけじゃない。
生活費やお金なんて、自分で稼ぐわいという話。
児童手当関連でいうと、求めているのは減税か少子化対策
或いは、両方。

お金なんか配っていらんから、給食費や学費をどうにかしてくれたらいい。
18歳未満の扶養控除やらを拡大して、子供の人数分を減税してくれたらいい。

にもかかわらず。
いつ頃からか、お金やらポイントやらクーポンを配りたがるようになった。
余程、国民に配布するという実行部分に意味や旨味があるのだろう。

コロナ禍で鮮明になったが、分かり易いのは、中抜きできるから。
指定の委託業者やら何やらで。

あと、宗教団体はもっとわかりやすくて信者に寄付させる原資になるよね。
今回の児童手当案でいうと、宗教団体は信者の家族構成を把握していると、毎月の寄付金目標の金額がはっきりとわかっちゃう。

宗教団体と指定業者だけが異次元に骨太になっちゃう萌愛の欠片もない四半世紀。
有能だろうがボンクラだろうが、息子を秘書官に登用する首相とか、その発想と行動が某国の将軍様やらとなんも変わらんという事実。

大統領制ならまだしも、議院内閣制でようやるわ。
武家なら恥ずかくて蟄居や隠居どころか切腹ものやわ。