二文字屋(にもんじや)のうなぎ
清水緑地で紅葉狩り
JR岐阜駅の南口へ出ます。
良い子は左折しましょう。
すると、ちょっと河川が見えてきます。
この辺りは清水緑地といって綺麗に整備されています。
「うなぎおいしかのかわ♪」と河川沿いをしばし散策。
一帯がちょうど紅葉しておりまする。
なぜに紅葉狩りというんやろね?
何故、もみじを「狩る」のか。
花見を桜狩りとかいわんしね。
まあ、紅葉狩りの由縁が何かあるんやろね。
ちもやんの紅葉狩りといば大阪府箕面市のもみじの天ぷらやな。
これなら紅葉狩りといっても差し支えないかと。
「箕面の滝見に行か~」
みたいなノリで子供の頃によく連れて行かれるスポットが箕面にあるんよ。
正式には箕面大滝というらしいけど、みんな「箕面の滝」といってたな。
勿論、紅葉の時期が最盛期なんだけど、気にせず年間を通して行ってかも。
今はどうか知らんけど、当時は普通にサルがいっぱいてね。
その箕面のサルも観光スポットの理由やったと思う。
このサルが悪さするヤツばっかりでね。
ひったくりの常習犯なんよ。
正月なんかは車のナンバープレートの上あたりに注連飾りをしている車があるんだけど、当時は小さな本物のミカンが付いてる注連飾りがあって、そういうのを箕面のサルたちは片っ端からもいでいくんよ。
ちょっと話が紅葉狩りから逸れてしまったが、その箕面の滝のところにもみじの天ぷらが売っててね、ちょっとした名物になっているんよ。
文字通り、もみじを天ぷらにしたもので、塩漬けしたもみじに衣を付けて油で揚げたやつなんですよ。
これが妙にウマくてね。
揚げたてなんか魔力的なウマさがあって。
まあ、今思えばおいしさの大半はシチュエーションなんだろうけど。
昔は鶴瓶師匠がこのもみじの天ぷらの話をよくしてたけどね。
さすがに最近は聞かないや。
この箕面方式だったら紅葉を「狩る」というのもわからんでもないかな。
清水緑地を散策したあとは、二文字屋を目指します。
すぐ近くよん。
創業元和六年 二文字屋
のれんに創業元和六年とありますね。
丸デブ総本店の創業大正六年よりはずっと前でしょうな。
「うなぎおいしかのかわ♪」とやってきたら店先にうさぎがいました。
錦鯉に目が行っちゃいそうなんだけど、レリーフに見えるうさぎさんが二匹。
どういう原理か知らないけど、このうさぎさんが動いて餅つきをしているの。
動くといっても杵を持った手だけだんだけども、ちょっとびっくり。
水がうさぎさんに滴っているので、水が原動力なのかな?
入店すると奥行きを感じる店内。
奥の方に座敷があったけどテーブル席で。
うな丼、ひつまぶし、長焼き、うな重といったところ。
残念なことに肝焼きはもう売切れとのこと。
十二代目流という釣書に釣られてうな重にしとこう。
しかも、鶴いっとこう。
注文すると、お姉さんに他のメニューより焼きに時間が掛かると念を押されてしまう。「じゃあ、うな丼で!」というのもうなぎに対して軟弱者みたいな感じである。
「大丈夫ですよ」と余裕ぶってビールも注文してやりましたとも。
改めてメニュー表を見てみると、十二代目流うな重の注意書きに三倍以上の時間をかけて焼き上げるとあり、繁忙期には休販するとも記載されている。
まあ、シャア専用うな重を気長に待つとしよう。
スマホをしてみたり、本を読んでみたり、ついにはノートPCも起動したり。
ビールでチビチビとやっていると、例のニオイとともにやってきました。
いただきます。
お重はちょっと小さい方かな。
オープン・ザ・フタ!
いいニオイ過ぎる。
これほど食欲が喚起される香りがあるだろうか。
この「うな重」ってのはいつも迷う。
じっくり食べるべきなのか、ガッと食べるベきなのか。
絶対に頬張ることによるウマさがこのうな重にはある気がしてならない。
お重を左手に持って、うなぎとご飯の量を箸で調整しながら・・・バクッと!
自分の中の何かのステータスだかパラメーターが回復していくのがわかる。
ウマいぞ、ウマいぞ、シャア専用うな重!
あっという間に食べ終わってしまった。
やはり、ちょっと器が小さかったのかな~。
いや、美味しかったからだな。
正直、同じ量のうな重をもう一杯食べられる気分。
お重の蓋の裏にもうさぎさん。
漆器にうさぎの蒔絵。
そして、やっぱり臼と杵で餅を突いている。
萌愛ですね。
ふと、割り箸の箸袋を見ると、創業の元和六年は1620年とある。
実に300年前ですやん。
それこそ中山道を参勤交代するお殿様たちも食べていたのかもしれんね。
その当時から今のような蒲焼きだったのかな。
世界にはいろんなうなぎの調理方法があるだろうけど、うなぎの最高の調理方法はこの蒲焼きであることは間違いない。
ミシュランガイドやら世界の食通がなんと言おうとも。
このうなぎの稚魚も漁獲量が激減中らしい。
これはサンマとか多くの海産資源がそうなんだろうけど。
10年後も20年後も美味しいうなぎが食べられますように。