花の都、大東京
港屋2
千代田区大手町。
超高層ビルの一つ一つがもうちょっとした町やん。
目まぐるしく動き回る人間は都市にとってみれば血液みたいなものか。
ちょっとプチ意識高い系の気分でいこう。
というわけで港屋2。
外観は真っ黒でよくわからない。
お店の看板やら案内も見当たらんしね。
よく見たら壁面に小さくあった。
看板というより表札やね。
プチ意識高い系のはるかに上をいきます。
柱の陰にどうみても爆発物処理班の出動要請をしたくなる券売機が二つ。
ボタンは「冷たい肉そば」の一択のみ。
大盛やらトッピングやらもなんもなし。
しかも、1,000円札しか受け付けまへん。
店内に入るとそこは立ち食いソバと同じシステム。
調理場に並んでトレイに乗った冷たい肉そばを受け取って、店内の空いた場所で立って食べ、終わったら返却口へ戻してとっとと出ていくスタイルです。
天井が高く、店内は明るいけど、基本的にどこもかしこも真っ黒。
プチ意識高い系からもう気分は島耕作へ。
いただきます。
たっぷりの刻み海苔とネギと胡麻がポイント。
ぶっとくて噛み応えのある蕎麦を辣油が浮かぶ濃いめのつゆでアグアグと食べる。
正直、豚肉はあってもなくてもいい。
極太の蕎麦を辣油の効いた濃いめのつゆで噛み締めるのがウマい。
ちもやんは、椎名誠の書籍によく出てくる「死に辛そば」からこの辣油蕎麦の世界に入ったクチなんだけど、基本的に乾麺なんよ。
極太蕎麦に目覚めたのは港屋や俺のそばから。
だもんで、銀座にある「そば俺のだしGINZA5」というお店がまだ「俺のそば」という店名だった頃から、港屋インスパイアの同種の蕎麦を提供しており、駅地下で便利だったこともあって何度かちょこちょこ食べていたんよね。
でも、本家のつゆは辣油のパンチに負けないくらい濃くてカライ。
蕎麦つゆがキリッとカライと東京って感じがするわ~。
ちなみに俺のそばのつゆはもっと甘辛いつけ汁だったという記憶がある。
中盤以降は、添えられていた玉子を割って、蕎麦が盛られた器の方に落とす。
軽くかき混ぜて、タマゴをまとわせた蕎麦や豚肉をつゆに浸けて食べる。
うずらのタマゴより堂々としていていいね。
久しぶりに萌愛な極太蕎麦を噛み締めて味わったぜい。
ご馳走様でした。
港屋2をあとにし、振り返る。
特殊加工されたガラスからは店内で立ち食いしてる様子はまったく見えません。
立ち食い蕎麦のお店なのにオサレですな。
将門塚
港屋2と同じく著高層ビル群の中にポツンとあるのが将門塚。
平将門が祭られているとされる首塚。
本当にビルがたくさん立ち並ぶ狭間にひっそりとある。
訪れた人は蜜を避けるソーシャルディスタンスで順番に一人ずつお参りをする。
女性も並んでいる。
お賽銭箱というのかな。
小さいからしゃがんで投入する。
平将門って、怨念で討たれた首が宙を舞うという印象が強い。
確か、そういう絵がって、子供頃に見たことがあるように思う。
ビルに囲まれてひっそりと雰囲気はあるけど、なんか綺麗だなと思っていたら、整備されたばっかりだったのですね。
当時の京都の朝廷からすると、新皇を名乗ったとされる東国の平将門は単に反乱というだけでなく、国土や国家が二分されかねないにっくき朝敵だったことでしょう。
でも、悠久の時を経て。
この世界有数の超高層ビル街に囲まれるように佇む首塚こと将門塚。
政治も経済も文化もあらゆるものが東京へ。
これもある意味では将門の怨念なのかもしれんね。