つい口癖で「都そば」ではなく「都うどん」といってしまう

都そばの天ぷらうどん

この天ぷらはご覧の通り、ほぼ「衣」なのである。
海老天やかき揚げのようなエビや野菜といった具材はなく、小エビのかけらを感じさせるものがあったりなかったりするけれども、ただの巨大な「衣」です。

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都そば-天ぷらうどん(税込360円)※2021年9月現在

この都そばのように丸いのとか、楕円のとか、一応の小さい海老天に巨大な衣をまとわせているのとか、紅生姜バージョンのとか、幾つかの種類があります。

ですが、この手の天ぷらは、カップ麺の「どん兵衛」や「緑のたぬき」に入っている天ぷらのようにサクサクとしたクリスピー感を楽しむ方向性ではありません。

衣に出汁を目一杯に吸わせることが目的の天ぷらです。
ある意味では出汁を目一杯にお揚げのきつねに吸わせるのと同じ方向性です。

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関西圏の天ぷらうどん(ほぼ衣の集合体の天ぷら)

この天ぷらが出汁でふやけてモクモクとフガフガとほぐれていくのです。
出汁をたっぷり吸ってほぐれる天ぷらとうどんを絡めて食べる。

そして、丼のふちに口を付けて、出汁と一緒にこのホガホガと崩れた衣を啜ると、これが「ウンマイ!」んですよね。

出汁と衣の油分が相まった旨さですね。
そんで炭水化物のやわめのうどん。
七味がまた合うんです。

そう。
このタイプの天ぷらの場合は絶対に「そば」よりも「うどん」です。

でも、近頃、この手の萌愛な天ぷらを使用するお店が関西圏でも減ってきているような気がするんよね。

その佇まいが若者ウケしそうにないしね。
育ちによっては単なる油のかたまりで不健康そうな物体にも見えるやろうし。
ですが、どうも本家の海老天にシェアを奪われているという感じではなさそうです。

ちもやんはね、おそらく近年の讃岐うどん系の隆盛により、世間に豊富なトッピングが認知されるようになって、半熟卵天やちくわ天とか野菜のかき揚げ天とかに流れるユーザーが増えて行っているのかもしれんなあと危機感を持って心配しているのです。

ああ、また天ぷらうどんを食べたくなってきた。
関西圏ではこの天ぷらうどんに月見と合わせるとなぜかスタミナうどんになるんよね。

chimoyan.com

ご馳走様でした。