末広亭のロー麺と小ライス
JR福島駅からなにわ筋を少し北上すると見えてくるのが今をときめく将棋会館。
もう棋士もAIには勝てないとなって久しいなか、対局中のその将棋ソフト不正使用疑惑騒動が持ち上がり、その真偽はともかくケチのついた将棋界。
そこへ救世主のように将棋界へ現れた中学生棋士の藤井聡太さん。
このAIも対局中の優勢判定にいっそ活用したれとすることで、将棋界は視聴者が将棋対局を観戦する時の楽しみの幅を広げることにつながりましたね。
この日、藤井聡太二冠がこれまでの戦績で最も苦手な豊島将之二冠を破り、見事に叡王を奪取して史上最年少三冠を達成したのでありますが、残念ながらその対局場所はこの大阪の将棋会館じゃなくて東京の将棋会館でした~。
それにしても藤井聡太三冠はバケモノですね。
ただ、彼には同世代にライバルが居ないのが残念というか、可哀想でもあります。
同じく不世出のバケモノである前人未踏の七冠を成し遂げた羽生善治さんですが、確かに実力が突出していましたが、それでも彼の同世代には希有なくらい幾人もの天才が揃っており、羽生世代は将棋界の歴史上でも奇跡の黄金世代ともいえるジェネレーションですからね。
絵本や小説や漫画とあちこちで題材に取り上げられている無冠ながら伝説や話題がとても豊富な故村山聖九段も羽生世代やね。
そういう意味でもライバルらしいライバルの居ない藤井聡太三冠。
なんせ負けないからこれまでの勝率は異常値になっていますね。
デビューからの29連勝は伊達じゃないわ。
藤井聡太三冠のライバルは下の世代からの登場を待つことになりそうやね。
さて、この将棋会館をさらに北上します。
すると、大淀南公園が見えてくるのでそこを左折しましたら、目的地の末広亭です。
JR福島駅から徒歩10分程度かな。
今回、数年ぶりの訪問ですが、お店の周囲は都市開発で高層建築物が次々に建設されており、ここだけ取り残されたようにひっそりと佇むクラシック町中華のお店です。
お店の目の前なんて緑地整備地にタワーマンションがそびえ立つ未来都市のような区画へ変貌しようとしてるし~。
ハッキリ言って、知らないと入りにくいお店の雰囲気です。
外からは店内の様子は見えないし。
久しぶりだけど、なんかずっと料金が変更されていない気がする。
壁に手書きのメニュー札を押しピンで留めてます。
ここは看板メニューのローメンをいっときます。
そして、小ライス。
ローメンを注文すると、優しそうな女将さんが「ローメンは熱いから涼しいこっちの席にしとき」と奥のテーブル座席への変更を勧められました。
お言葉に甘えてテーブル席を移動させてもらいますと、厨房からのエアコンの風が通っていてとっても涼しいです。
涼んでいると、数年ぶりのローメンがドーンとやってきました。
よくあるスープの上に餡がかけられているのとは根本的に違います。
湯切りされて丼に投入された中華麺の上にあんかけが盛られています。
スープはないよ。
大量のあんかけだけ。
あんかけの量や厚みが凄すぎて麺が見えません。
問答無用のあんかけマシマシです。
このあんかけの餡は思いっきり堅めですね。
わらび餅とかういろうのレベルに近い。
箸でつまみ上げることができるで~。
ん~、久方ぶりやけど、こんなにドゥルドゥルだったっけ?
こんなにあんかけの餡が堅かったかな?
麺は少なめ。
大量のあんかけに埋まって丼の底に押し潰されている。
箸でほぐして底から少し引っ張り上げてみる。
めっちゃ熱い。
あとで口の中の皮がビローン&ベローンとなるのは確実です。
醤油系の餡でいろいろ濃いです。
具もけっこう入っているようですが、なんしか餡の占める比率が高い。
そんなわけで小ライスです。
この小ライスも駆使して大量のあんかけを楽しみます。
あんかけ好きにはタマランあんかけ祭りです。
それはもうたっぷりありますから。
もしかしたら、日本で、いや世界で一番あんかけの多い一品かもしれません。
熱いは萌愛のあんかけ。
でも、小ライスも尽きてしまいます。
食べてみると、あんかけって、けっこう腹が膨れます。
どんだけの片栗粉を使用しとんねんという話です。
すべてのあんかけを食べきるのは諦めます。
喉が渇きそうだし、塩分も気になるしね。
まだまだ丼に残ったあんかけ。
そこに唾液を付けた箸をダイブさせて、唾液の酵素パワーの実験です。
これがね、思った以上に即効性があるんですよ。
ぼってりもったりした末広亭の特濃餡も唾液の酵素パワーがさらさらにしていく。
まさにみるみるうちにです。
あまり知られていない唾液の酵素パワーやね。
1年分のあんかけを堪能しました。
ご馳走様でした。
腹ごなしにスカイビルを抜けて大阪駅方面へ。
このスカイビルができた当時は周りに何もなくてポツンと存在が浮いていました。
辺り一帯に貨物列車の巨大ターミナルがあったんよね。
梅田貨物駅だったかで、線路がポイントでトーナメント表みたいにめっちゃめちゃ細かく枝分かれしてて、その各線に貨物列車が大量にズラーッとあってね、あれは子供ながらに壮観やったわ。
近寄りがたいような怪しい雰囲気の漂う地区でしたが、この貨物駅や貨物線を地下化する工事が鋭意施工中だそう。
今はヨドバシカメラがある辺りの場所もそうです。
20年くらい前まで広大な使途不明の更地の状態がずっと続いていて、木下大サーカスが長らく駐屯していたり。
そのヨドバシカメラも今や隣接地にホテルと商業施設が増築されているしね。
グランフロント大阪とか、JRAの場外馬券場もキレイに改築されたし、この辺の再開発はどんどん進んでいますな~。