ベトナムの大手送出機関5社からの新規受入れ停止の方針

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失踪者が多発している送出機関5社の新規受入れの停止へ

日本の技能実習制度を管轄するOTIT(技能実習生機構)がベトナムのDOLAB(労働・傷病兵・社会問題省海外労働派遣局)に対し、大手送出機関の5機関の新規受入れ停止を通知しているとのことだけど、すべてハノイの送出機関でいずれも年間500名程の送出実績のようです。

日本側からベトナムが通知されている状況であり、2ヶ月後を目途に実行すると説明されていることから、DOLABが調査なりを踏まえて、機関のライセンスを停止するかたちになるのかな。

この失踪の理由は、外国人とか日本人とかあまり関係ないよね。
まずもって、長年の数多の関係機関による統計により、新卒の3年以内の離職率は3割というものがあるわけです。

従って、どこの国の技能実習生だろうと、人間なんだから待遇や職場環境の不満やらなんやらで、3年で3割が離職したって不思議でもなんでもないよね。

そこに輪をかけて、技能実習生の職場は日本の新卒の就職先よりも、低賃金や事実上のサービス残業の強制だったり、重労働だったりする可能性がはるかに高いでしょうからね。

それらを考えると、技能実習生の3年以内の離職率は同世代の日本人と比較してかなり低いといえると思います。

今回の報道だけでは真偽はわかりませんが、ベトナムの送出機関5社が原因で失踪が多発しているというより、この送出機関5社から受入れている日本側の方に失踪が多発する原因があるように思われるのです。
おそらく、特定の業界や業種やグループなのではないでしょうか?

技能実習生にとっての最大の失踪理由は、残業代や諸手当も含めた低賃金であることに尽きます。(結局、日本の新卒も似たようなものでしょうけど)

理由を付けて、サービス残業ばかりで残業代が支給されないとか、わけのわからん控除をされたり、雨が降ったからと欠勤扱いされたり、仕事が薄いからとアルバイトみたいに出勤の調整をされたり、有休をまったく付与されなかったり。

それらが複合的に合わさって、結局の手取りが低賃金だと、ハイもう失踪です。
そして、そういった会社が人の扱いも非人道的だったりもしますから。
萌愛な技能実習生だって失踪者のお尋ね者になっても離職して転職するわ。

そういう一部の業界や業種、もっといえば特定の受入れ企業が圧倒的な離職者(失踪者)を出し続けているというのが今回の報道からも透けて見えます。

確実にいえるのは、いたって普通の会社である場合、ベトナムだろうがどこの国の技能実習生であっても、離職率(失踪率)は日本人の新卒よりも断然に少ないですよ。
このことはOTIT(技能実習生機構)だって数字でわかっているハズです。

あと、技能実習生はそのビザの特性から「離職≒失踪」と失踪のカウントにつながりやすいというのもありますね。(転職できないビザというわけではない)

ビザの期限切れによる超過滞在(オーバーステイ)に気を付ける必要がありますが、例えば技人国や日系人のビザなんかだと、離職後に再就職してもそれはただの転職やからね。

統計上は失踪とされている技能実習生も大多数は日本のどこかで元より良い雇用条件で再就職していますよ。
そんでもって労働の義務を果たし、社会に貢献し、幾分かの納税だってしているかと。

それでも転職を繰り返す中でうまくいかず、社会からドロップアウトしてしまい、食いっぱぐれて悪いことをする元技能実習生も一定数は発生するかも知れませんが、そんなものは技能実習生じゃなくて、技人国やその他のビザの外国人であっても一緒だし、もっといえばそういうのは日本人だってまったくもって同じよね。

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そして、超過滞在(オーバーステイ)の総数そのものも昔と今で変化しています。
かつてのイラン人が偽造テレホンカードを街角で売っていた90年代やリーマンショック以前の超過滞在者が20~30万人弱の時代と比較すると、近年の超過滞在者は7~8万人程度まで減少しています。
つまり、技能実習生や留学生が急増している中であっても、それなりにしっかりと社会で管理されており、かつてのような野放しの政策ではないことがよくわかります。

このあたりは、凄惨な事件の報道を目にすることで、最近は重犯罪が増加傾向にあるようについ感じてしまいますが、昔の方が圧倒的に重犯罪が多かったという事実と似たようなものがあるのかもしれませんね。

今回のベトナムの大手送出機関5社の新規受入れ停止という処分もそうです。
モグラ叩きみたいなもんで無駄だという意見もあるかもしれませんが、決してそんなことはなく、それなりに効果も波及されるものと思われます。

ただ、ちもやん的には、問題の本質はベトナムの送出機関ではなく、この送出機関5社からの受入れ側の事業主の方にあるんじゃないかという気がしますが。

技能実習生や外国人労働者の政策が、過去数年間にわたって法人税や納税もまともにできてないような衰退産業や事業主の延命の為の保護政策とならないようにすることが重要なのです。

監督官庁へ担保金や供託金を積むのは萌愛な技能実習生や外国人労働者を受入れる会社側であるというくらいの考え方が必要かもしれませんね。